パーキンソン病
●パーキンソン病の多くは、40歳以後に発症し、手足のふるえや筋の固さ、動作の遅さ、ちょこちょこ歩きをしたり、転びやすいなどの症状がみられる病気です。
最初から全部の症状がそろっているわけではありませんが、発症して数年経つとこれらの症状がみられるようになります。
●症状
○手足のふるえ
最初は左右どちらかがふるえ、少しずつ両側がふるえるようになります。
パーキンソン病のふるえは、手足を動かさないで安静にしている時にみられるのが大きな特徴です。
○筋が固い
自覚のない症状ですが、診察のために手や足を曲げたり伸ばしたりすると、強い抵抗を感じます。
○動作が遅い
日常生活すべての動作が遅くなり、動きが乏しくなります。
まばたきが少なくて表情のない、硬い顔つき、小さくて聞き取りにくい声、字が小さくなるなどの症状がでます。
歩くときも腕の振りが消えて歩幅も小さくちょこちょこ歩きをします。
○転びやすい
パーキンソン病になって少し時間が経ってから現れることの多い症状です。
健康なひとは立っているときや歩いているときに、少しくらいバランスを崩しても反射的に足を出すことで倒れないようにすることができますが、この病気ではそれができず転びやすくなります。
また、転んだときにとっさに手で身体を守ることができず怪我をしやすくなります。
転びやすさの現れるころにはすたすたと歩くのも困難になり、前屈みの姿勢で歩幅の小さな歩き方になっています。
足が床にへばりついたようになり前に進めない「すくみ」症状や、歩いているとだんだんと小走りになり止まれない症状もみられます。
●原因
パーキンソン病の原因は脳の線条体というところにあるドーパミンという神経伝達物質が欠乏するためと考えられています。
ドーパミンが欠乏するのは、線条体にドーパミンを運んでいるドーパミン神経がこわれて減ってしまうためです。ドーパミン神経は中脳の黒質という部位でドーパミンを作り、それを線条体に送っていますが、パーキンソン病の人はその数が大幅に減っています。
●治療薬をいくつかあげてみました。
○L-dopa(レボドパ)
最も強力なパーキンソン病の治療薬です。
1970年代に登場したこの薬はパーキンソン病の治療に画期的な進歩をもたらしました。
○ドパミンアゴニスト
L- dopaの副作用を克服するために開発されたのが、作用時間の長いドーパミン受容体刺激薬(アゴニスト)です。
日本では現在6種類のドパミンアゴニストが使用できます。
○抗コリン薬
パーキンソン病の治療薬として最初に使われた薬です。
パーキンソン病ではドーパミンの減少に伴って、もう一つの神経伝達物質であるアセチルコリンが相対的に過剰になります。
○塩酸アマンタジン
塩酸アマンタジンは元々抗ウイルス薬として開発され、A型インフルエンザの治療薬としても使われています。
線条体でのドーパミン放出を促す働きがあるほか、ジスキネジアを抑制する効果が知られています。
○ドロキシドパ
長期経過したパーキンソン病で問題になる症状のひとつに、「足のすくみ」があります。これにはもう一つの神経伝達物質であるノルエピネフリンが関与しています。ノルエピネフリンはβ水酸化酵素によってドーパミンから合成されるため、ドーパミンが減るとやがて不足します。前駆体であるドロキシドパはそれを補うために使われます。足のすくみ、意欲低下、立ちくらみを改善する効果が知られています。
●予後
最近では、いろいろなお薬が開発されてきたこともあり、ほとんどの人が天寿をまっとうできるようになりました。
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